心静かに茶の湯を楽しむ、和の伝統美学

  • 数寄屋

雅やかな佇まい

道路との境界線を 四つ目垣で仕切り、優しい雰囲気を演出。 竹や木々と洗い出しのアプローチが、訪れる人々を玄関へと導きます。 滑りにくく歩きやすいだけでなく、雨の日でも安心です。

心を落ち着かせる音色を奏でるつくばい

四季折々の移ろいを肌で感じる植栽と、特別な時間を演出するつくばいのある茶庭。 つくばいは鉢が低いため、手と口を清める際には前かがみになることから、それが蹲(うずくま)るように見えたことから「うずくまる」と同じ意味の「つくばう」からその名前で呼ばれるようになりました。

玄関から南の庭へ抜ける土間

玄関から続く土間は、南の庭へとつながり、家全体を明るく開放的な空間へと変えます。 来客を迎える際の応接スペースとしても活用でき、暮らしに彩りを添えてくれます。

畳数以上の広がりを感じる茶の間

8帖の茶の間は、障子で緩やかに仕切られ、通り土間と縁側と豊かなつながりを持ち、畳数以上の広がりを感じさせてくれます。

四畳半の京間で、日常に茶の湯の心を

貴人畳、手前畳、炉畳、床の間、床柱、床框、落掛など、茶室の伝統的な要素をすべて備えた四畳半の京間です。

使い勝手と美しさを兼ね備えた、こだわりの水屋

お手持ちの道具をすっきり収納できる、使い勝手も追及した水屋です。 水屋とは、茶室に隣接して設けられる茶道具や水などを用意するための場所。 茶事の準備から後片付けまで、茶道の重要な役割を担っています。

建築概要

ご要望は

・4畳半の京間で普段も使える茶室がほしい
・玄関から南の庭へ抜ける土間がほしい

この2点でした。

 

将来は自宅でお茶を教えることも検討中で茶室の配置や向きについては計画当初から意見はほぼ一致。
懸案事項は南北をつなぐ土間の存在意義でした。

そこで、玄関から南の庭へ抜ける土間を「通り土間」とし、玄関・ホール・路地空間・居間の延長スペースとして多目的に活用することをご提案しました。

普段は家族が集まる「茶の間」はこの家の中心であり陽当たりや庭の眺めも一番よい場所です。
この「茶の間」を来客の動線と裏動線の中間に配置することでお茶時の際に来客の控室にも使えるようにしました。

たった8帖の茶の間ですが、障子でゆるやかに仕切られた「通り土間」と「縁側」の豊かなつながりで数値以上の広がりを感じられる場所となりました。

所在地新潟市江南区
延床面積40坪(132m²)
敷地面積66坪(218m²)
竣工年月R3年3月